ハロウィン KILLSをみた

 

 ハロウィンの夜は長い。
 「ハロウィン KILLS」を観た話をサッとする回。今回はネタバレアリで進めます。

 


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 気がついたら10月31日に映画館で「ハロウィン」を観ることになった。
 前作の「ハロウィン(2018)」からの続編作であり、時系列的にはかなり直後の話。前作をうろ覚えだったりしたら、観返してから今作を観てみるとなお良。

 前作ラストの「ついにマイケルを倒しました…」という終わり方から、マイケルやっぱり生きていた!という王道から始まり、燃え盛るローリーの家にやってきた消防士をバッタバッタと殺していくシーンで「始まったな」って感じして良かった。それより少し前の家の玄関からヌ…とマイケルが出てくるシーンとそこからの手にしているやつをグッと握るカットとか「これからですよ」感があって良かった。盛り上がりへの段階がいちいち効く。

 今作のマイケルも超がつくほど元気だった。相変わらず動きまくり、家から家を渡り歩きながら芸細殺人を展開させていく。ポイント、ポイントでの登場の仕方やそれまでの流れなども緊張感があって見てて楽しかった。(楽しかったとか言っているけれど見てる間は終始ビビり倒している)自分はマイケル・マイヤーズがホラー映画キャラの中で特に好きなので今回の大暴れしてくれる展開はニコニコし続けていた。


 街の住人も「警察がアテにならないなら自分らでマイケル・マイヤーズを倒さんといかん!」となり、とんでもない暴走具合に発展していく。今作に大きく導入されているのがその展開で、これだけワケ分からん殺人鬼が現れて小さな街がパニックになるのは難しくもないだろう。そこにマイケルと同じ精神病院の脱走した患者が現れてしまって盛大な人違いが起きて大事に発展していく。本編を見ている観客は「絶対コイツじゃないのにな」と分かりきっている状態なので、それに気がついていたローリー達と近いポジションに当てられる。最後まで「どっちだ…?」みたいな要素はなく明らかに「人違い」であることを明確にしながら描かれる一連の流れは「マイケル・マイヤーズを恐れ、自分たちで討ち取ろうとする人物たち」としてだけではなく恐怖からの行き過ぎた自衛の気持ちの走り方や、そこから発生する暴力性は別にこの映画だけでも、フィクションの中での出来事でもなくて現実にも延長させることができる部分だったと思う。
 と、真面目な話も入れつつも一作目に登場した人物が同じ役者さんで登場したり、シリーズ共通の人物も出てくるしで過去作のオマージュ的なものを入れるなど、盛り込みたい要素がぎっしり詰まっている映画だったと思う。
 個人的に好きなところの1つは旧マイヤーズハウスに住んでる男性二人組が過去にこの家で何があったのかを分かって好んで住んでいるようだった所。40年の時間が経てばそういった物件が好きそうな人間が住むのか…と妙に納得してしまった。あと家自体は変わってないけど、内装がめちゃくちゃオシャレになっていたところとか。

 出てくる人間、1人での行動は危険だと分かってそうなのにみんな危なそうな場所に限って分かれて別行動を取る(離れないで行動と言ってなかったか?というとことか)、「終わったら祝杯な」的なコメントをしてしまったり、銃などそれぞれの武器を持つ中での木製バットを持つのは見てる側もあまりにも心もとが無い…と思ってしまったり(物自体に意味はあっても)、行動に引っかかりを見せながら見事にマイケルにやられていく様は「あぁ、ホラー映画だな」といった気持ちにさせてくれる。ゴア描写が効いたシーンも多くて、前作にあった見せない殺人シーンのようなものは少なく正面から殺られる人を描いていたと思うし、マイケルに殺される人数も増えまくり「数えるのを諦めた」というコメントを見かけて納得した。

 かなりの死者を出しながら「次回の完結編へ続く…」といった形で一旦の区切りとなり、どうやって終わらせるんだという疑問は持ちつつも、またスクリーンでマイケル・マイヤーズが見れるのは楽しみだなという期待が大きい。